海外の通販サイトで買い物をするとき、いちばん気になるのが「あとから税金を請求されないか」ではないでしょうか。
結論から書きます。
課税価格の合計が1万円以下なら、関税と消費税は免除されます。 ただし、金額に関係なく課税される品目があります。
税関が公表している規定にもとづいて、順に見ていきます。
1万円以下は免税。まずこれが基本
税関はこう定めています。
課税価格の合計額が1万円以下の物品の輸入については、その関税及び消費税が免税されます。
つまり1万円以下の買い物なら、税金はかかりません。多くの海外通販の買い物はここに収まります。
ただし注意が2つあります。
①お酒やたばこは別です。 消費税以外の税(酒税・たばこ税など)がかかるものは、この免税の対象外です。
②「1万円」の数え方に決まりがあります。
「1万円」はどう数えるのか
ここを誤解している方が多い部分です。1商品ごとではなく、まとめて数えます。
税関の規定はこうです。
- 一般の貨物:1回の申告に含まれる荷物の課税価格の合計が1万円以下
- 郵便物:1つの包装に梱包された荷物の課税価格の合計が1万円以下
さらに、分けて送っても合算される場合があります。
1つのインボイス(送り状)に係る貨物を分割して申告した場合には、そのインボイスに記載されたすべての貨物の課税価格を合計したものになります。
同一差出人から同一名宛人に、同一時期に分散して郵送されたもの等は、当該分割されたすべての郵便物の課税価格を合計したものになります。
「分けて送れば1万円以下にできる」わけではない、ということです。
🚨 金額に関係なく課税される品目がある
ここが最も見落とされやすい点です。1万円以下でも免税にならない品目が定められています。
税関が例として挙げているのは次のとおりです。
- 革製のカバン、ハンドバッグ、手袋 など
- 編物製衣類(Tシャツ、セーターなど)
- スキー靴
- 革靴、本底が革製の履物類 など
衣類や靴を海外から買うときは、金額が小さくても税金がかかる前提で考えておくのが安全です。具体的な範囲は関税定率法施行令第16条の3に定められています。
なお、税関において個人的使用に供されると認められる贈与品であって課税価格が1万円以下の場合は、これらの品目でも免税となるものがあります。
1万円を超えたら「簡易税率」
課税価格の合計が20万円以下の場合、通常の細かい税率(数千の品目分類)ではなく、7区分にまとめた「簡易税率」が使われます。
税関が公表している「少額輸入貨物に対する簡易税率表」は次のとおりです。
| 区分 | 品目 | 税率 |
|---|---|---|
| 1 | 酒類:ワイン/焼酎等の蒸留酒/清酒、りんご酒 等 | 70円/ℓ / 20円/ℓ / 30円/ℓ |
| 2 | トマトソース、氷菓、なめした毛皮(ドロップスキン)、毛皮製品 等 | 20% |
| 3 | コーヒー、茶(紅茶を除く)、なめした毛皮(ドロップスキンを除く)等 | 15% |
| 4 | 衣類及び衣類附属品(メリヤス編み又はクロセ編みのものを除く)等 | 10% |
| 5 | プラスチック製品、ガラス製品、卑金属(銅、アルミニウム等)製品、家具 等 | 3% |
| 6 | ゴム、紙、陶磁製品、鉄鋼製品、すず製品 | 無税 |
| 7 | その他のもの | 5% |
🔑 多くの雑貨は区分7の「その他のもの(5%)」に入ります。 表の1〜6に見当たらない商品は、まずここを目安にしてください。
🔑 簡易税率には消費税が含まれていません。 輸入の際には、これとは別に消費税等がかかります。
なお、携帯品・別送品(旅行のおみやげなど)や、関税が無税・免税になるもの、国内産業への影響を考慮して適当でないとされた物品には、この簡易税率は適用されません。米などの穀物、ハムや牛肉缶詰などの食肉調製品、たばこ、旅行用具・ハンドバッグなどの革製品、ニット製衣類、履物などが該当します。
また、輸入者が希望すれば、通常の関税率を適用してもらうこともできます(簡易税率より安くなる品目があるため)。
20万円を超えると手続きが変わる
課税価格が20万円を超えると、輸入(納税)申告が必要になります。郵便で届く場合も、通関業者に依頼するか、自分で税関へ申告することになります。
高額な買い物をするときは、手続きの手間が一段階増えると考えておいてください。
税金以外にかかるお金
見落としがちですが、税金とは別に手数料が発生することがあります。
- 郵便物:日本郵便株式会社の取扱手数料
- 国際宅配便:業者の通関代行手数料
「思ったより高くついた」という声の一部は、この手数料が原因です。
まとめ
| 課税価格の合計 | どうなるか |
|---|---|
| 1万円以下 | 関税・消費税は免税(例外品目・酒たばこを除く) |
| 1万円超〜20万円以下 | 簡易税率(7区分)+消費税等 |
| 20万円超 | 輸入(納税)申告が必要 |
そして繰り返しになりますが、革靴・革製バッグ・Tシャツやセーターなどの編物製衣類は、1万円以下でも課税されます。
この記事は税関が公表している規定にもとづいて書いています。 実際にいくらになるかは、品目の分類や課税価格の判断によって変わります。個別のご相談は、お近くの税関相談官へお問い合わせください(税関のサイトに窓口の案内があります)。